低濃度アトロピン点眼(小児の近視抑制治療)【さやなぎ眼科】川西市

さやなぎ眼科 オアシスタウンキセラ川西2F
★:火曜午前はオペ ◎:火曜午後は手術のため診察が無い場合があります(不定期)
休診日:木曜日・土曜日・日曜日・祝日
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低濃度アトロピン点眼(小児の近視抑制治療)

当院では小児期における近視の進行抑制を目的とした点眼治療を行っております。

治療の目的

日本では小児の近視の(人口)割合は増加しており、小学生の約4割、高校生の約7割が裸眼視力1.0未満と報告されています。先進国において近視は視力障害の主要な原因であり、近視は主に小児期に進行します。また、高度な近視の場合は、網膜剥離、緑内障、黄斑変性などのリスクが高いと言われています。
近視とは、眼球が楕円形に伸びて、遠くを見るときにピントが網膜より前に結んでしまい像がぼやける状態です。一度伸びた眼軸は戻すことができません。そのため、近視抑制治療では眼軸長の伸びを抑えることを目的としています。

アトロピン画像1

アトロピン配合点眼薬には眼軸の伸展を抑制する効果があると言われ、近視の進行を遅らせることが臨床試験で証明されています。今回、用いる低濃度のアトロピン(リジュセアミニ点眼薬0.025%)点眼は副作用も少なく、国内で行われた第Ⅱ/Ⅲ相試験(ORANGE STUDY)で36か月時点までプラセボ点眼と比べ有意に等価球面度数抑制と眼軸長抑制が示され、長期的な近視進行抑制効果が証明されました。

治療の対象

  • 等価球面度数が-0.5Dもしくはそれを超える近視患者
  • 国内治験の対象患者は、5~15歳で調節麻痺下における両眼の他覚的等価球面度数が-1.0Dから-6.0Dの進行性の近視患者でした
  • 定期的な通院が可能な方(10代後半までの継続が推奨されています。当院では、まず2年間使用していただき、効果判定をしながら治療の継続の可否について、ご相談させていただいています。)

治療に使う点眼薬

アトロピン画像2
  • リジュセアミニ点眼薬0.025%
  • 参天製薬がシンガポールの国立眼科・視覚研究所であるシンガポールアイリサーチインスティテュート(SERI)と共同開発した、アトロピンを0.025%含有した点眼薬です。
  • 1日1回、寝る前に両眼に点眼します。
  • 1日1本を両眼に点眼する使い切りの点眼剤で、1箱あたり30本(1ヶ月分)の点眼剤が入っています。
  • リジュセアミニの有効成分であるアトロピンは瞳孔を開く作用があり、一時的にまぶしさを感じたり、近くのものにピントが合わなかったりする副作用があります。夜寝る前に点眼をしていただければ、翌日の生活には特に問題はありませんが、日中も症状が続く場合はご相談ください。

※オルソケラトロジー用レンズとの併用可能。
リジュセアミニを点眼してから5分以上開けてレンズを装用してください。

治療の流れと費用

治療の流れ

  • ① 適応検査(完全予約制(月曜午後))
    • 検査・診療・治療内容の説明を行い、適応があれば点眼薬を処方します。
  • ② 1週間後
    • 検査(視力など)と診察を行います。
    • 点眼薬による異常が認められた場合は治療を中止する場合があります。
  • ③ 1か月後、3ヶ月後
    • 検査(視力など)と診察を行います。
    • 点眼使用に問題が無いか確認します。問題なければ追加処方します。
  • ④ 定期検査
    • 3ヶ月毎に定期検査を行います。
    • 治療は2年以上継続していただくことをお勧めいたします。

費用

  • ① 低用量アトロピン(リジュセアミニ)点眼による近視抑制治療のみの場合
    適応検査1回5500円(税込)検査・診察費用1回1500円(税込)
    リジュセアミニ点眼1箱4500円(税込)
  • ② オルソケラトロジー併用の場合
    オルソケラトロジーの定期検査費用+リジュセアミニ点眼1箱4500円(税込)
  • 本治療は自由診療です。(健康保険や子ども医療費助成制度は適応されません)
  • 保険適応外にて全額自己負担になり、別途消費税が加算されます。
  • 本治療に関係のない疾患の検査、治療には別途保険診療として費用が掛かります。
  • この治療は近視進行を抑制するものであり、視力が回復したり、近視が治ったりすることはありません。また近視がまったく進行しないわけではありません。
  • 治療効果には個人差があります。